岡山県のレッドデータブックで絶滅の危機にある「絶滅危惧Ⅰ類」に指定されている水生植物・ミズアオイが、倉敷市内で見ごろを迎えています。県内唯一とされる自生地に加え、今年から栽培を始めた倉敷芸術科学大学でも青紫色の花が輝きます。10月下旬まで楽しめるそうです。ミズアオイは水田や沼地に生える一年草で、夏から秋にかけて直径3センチほどの花を付けます。県内では護岸整備などで数が激減し、自生地としては倉敷市八軒屋の倉敷川河川敷に残るのみといいます。住民団体などが約30年前から、ヌートリア対策の柵を作ったりジャンボタニシを駆除したりと保護に努めており、今年9月上旬から約50本が順次開花しています。倉敷芸術科学大学では、内藤整・生命科学部教授が倉敷市内の水辺の植生を再現する取り組みの一環で、構内の池で約50本を植栽しています。4月に種をまいて肥料をやるなど栽培を手がけた内藤教授は、「元気に咲いてくれてうれしい」と話し、今後は学生にも加わってもらうことを検討しているとも。自生地で観察会を開いている倉敷市自然史博物館友の会や内藤教授は「見学する際にはマナーを守って」と呼びかけます。