岡山県中西部に広がる吉備高原に雲海のシーズンがやってきました。「天空の山城」と呼ばれる、高梁市の備中松山城では、連日のように、朝、波のようにゆらゆら流れる白い雲の間にその姿を現し、幻想的な光景を見せています。およそ1キロ北東の山中にある展望台には、県内外の観光客や写真愛好家の人たちが夜明け前から陣取り、カメラを構えておられます。日が昇るにつれ、高梁川や市街地を覆っていた雲海が鮮明になると、全国の山城で唯一、現存する国重要文化財の天守と二重櫓が島のように浮かび上がります。雲海は、地表の熱が奪われる放射冷却で空気が露になる現象。天候が安定し、昼夜の寒暖差が大きい日の朝によく発生します。高梁市観光協会によると、雲海は今月末までがピークで、来年1月ごろまで見られるとのことです。