倉敷市美観地区で現存最古の町家とされる国重要文化財「井上家住宅」の保存修理が終わり、5日に特別公開されました。地区の町家の原型ともいわれる建築物の魅力に多くの人が触れました。井上家は、江戸期に天領だった倉敷村を率いた有力者「古禄十三家」の一つ。幕末まで庄屋を支える役人「年寄りを務めました。敷地内には1721年築とされる木造2階の主家や井戸蔵、土塀などがあります。老朽化に伴い、2012年に保存修理を開始。主家と井戸蔵、土塀をすべて解体し、建物の痕跡も調べました。主屋は窓や格子などの独特の外観を保ちつつ、主要部材の約6割を再利用。最も栄えた天保年間の姿を復元しました。痛みが想定以上だったため、当初の予定の5年から10年に延びました。展示内容などを検討の上来春からの一般公開を予定しています。