JR西日本は、岡山~出雲市を結ぶ特急「やくも」用に新開発した車両「273系」のデザインを公表しました。3代目に当たり、大山から望む朝日やたたら製鉄をイメージしたブロンズ色を車体色に採用するなど、内外装に山陰地方の歴史、風土の要素をふんだんに取り入れました。2024年の春にお目見えします。シンボルマークを新たにデザイン。名前の由来で、古語の「出雲」にかかる枕詞「八雲立つ」にちなみ、重なり合う雲を描いています。内装は自然や神話の国にちなんだものになっています。普通車の座席は沿線の山々に着想を得た緑色を基調に、魔よけの意味のある麻の葉模様をあしらっています。グリーン車の座席は富や長寿を表す亀甲模様としています。やくもはカーブの多い伯備線を高速で走るため、遠心力で車体を傾ける「振り子式車両」を採用してきました。新型では振り子の制御装置を改良して揺れを減らし、乗り心地の改善を図ります。テーブル付きのグループ席も4組設けられます。11編成、44両が投入されます。やくもは、山陽新幹線岡山開業に合わせ、1972年3月にディーゼル特急で運行開始。山陽、伯備、山陰線を経由します。現行の「381系」は1982年電化とともに導入されました。