エル・グレコの「受胎告知」66年ぶりに修復へ 再掲示は9月以降に

倉敷市の大原美術館は、同館を代表する絵であるエル・グレコの「受胎告知」の展示を7月8日から休止し、66年ぶりの修復に着手しています。再展示は9月以降になる見込みです。エル・グレコはギリシャ出身でスペインで宗教画家として活躍しました。大原美術館所蔵の「受胎告知」は1590~1603年ごろにスペインのトレドで制作されました。聖母マリアが大天使ガブリエルからイエス・キリストをみごもったことを告げられる場面を描いています。美術館の礎となる作品を収集するために渡欧していた洋画家児島虎次郎が1922年にパリの画廊で購入したものです。価格は15万フランで、虎次郎が滞欧時に残した領収証では群を抜く最高額でした。1930年に開館した大原美術館を象徴する絵として常時展示されてきました。2020年に修復するはずでしたが、コロナ禍で延期されていました。